ButterflyEffect

明るく楽しく真面目にエロを語ろうじゃないか

大きな地震があったので、2011年4月7日の深夜に体験した出来事でも

2011年3月11日に自宅にて被災し、当時は電気やらなにやらが色々ストップしてしまった。


震災から2週間経って店からメールが来る。

「今日から店を開けるので、出勤できる人は出勤お願いします」

当時、何より確保しにくくなっていたのがガソリン。

並んでやっと買えるようになったのは、3月の末も末の話。

4月に入ってやっと出勤できた私。

やっと少し落ち着いてきたころに、4月7日の23時30分ごろに起きたあの余震が起きた。

 
あの日あの時間、私は過去何度かご指名頂いていた牛農家のお客様Aと
宮城県大崎市にある戸建て形式の古いホテルの一室にいた。

その日、Aのところの子牛が生まれたという話で盛り上がり、
震災にも負けず頑張って生まれた子牛が
大きく元気に育ってほしいねと話していた。

2人でお風呂に入ってすぐ、変な音が遠くから聞こえ、その後すぐ揺れが始まった。
この数日前、偶然にも別の指名のお客様から
「次にもし大きな地震があったらトイレかお風呂に逃げなさい。
トイレとお風呂は他の部屋より安全だから。」
と聞いていた。

「このままお風呂に入っていたほうが安心だから、ここにいよう。
今出たら危ないよ。」
とびびるAに声をかけたが怖いと言ってAが風呂場から出ていくので、
心配で一緒にふろ場から出た。

Aが服を取りに部屋に行こうとしたのを見て、Aを捕まえトイレに押し込んだ。

この部屋にはシャンデリアの真下にガラステーブルがあった。
そのため、万が一、シャンデリアが落下して来たら、100%怪我をするのが予測出来ていたので、それを察しての行動だ。

揺れがどんどん強くなっていた。

私は、トイレのドアを開けたまま、素っ裸で大の字でトイレの入り口を押さえた。

後ろで動揺しているA。

Aが
「ねぇねぇ、トイレから水があふれてくるよ。」
と困り顔で声をかけるので

「蓋閉めればいいでしょ」
とふたを閉めてあげて、ここに座っていなさいと指示し、
揺れが収まるまで、その場に待機していた。

揺れが収まり、シャンデリアも落ちてこなかったので、部屋に戻る。

すでに停電が起きていて、テレビも確認できない、電気もつかない。

そこで、偶然にも東京の友人Bから電話が鳴った。

これはしめたと思い、電話をとって、Bに事情を話し、テレビで流れている情報を聞いた。

この場所の震度は6弱。

ただし、ここは内陸部のため、津波はこない。

Bに1時間くらい経ったら、また電話するといい電話を切る。

スマホの時間を見ると、終了時間まではあと30分ある。

ホテルは停電中なので電気は使えないが、
お風呂のお湯はあらかじめ入れておいたので帰りに体を洗うことは出来る。

この状況を考えるに、外は渋滞が起きていることだろう。

店の女の子はあの時点で誰も接客は入ってなかったのを観ると、
近場に店の車があるとは限らない。
とすれば、今から店の車がここまで来るとしても20~30分はかかる。

そこで私はAにこう提案した。
「よし、時間まで頑張ろう!さて仕事するかな」

この提案にAは驚き
「帰ったほうがいいんじゃないの?でなくて大丈夫なの?」
というので、
「こういう場合、ホテルは料金が無料になる。
それに、電気がなくてもスマホのLEDライトもあるから大丈夫でしょ?
お風呂のお湯も張ってるんだから、帰りは体も洗えるよ。
そもそも今外出ても渋滞になってるはずだから、今動くのは賢明じゃない。
なら、30分あるし、定時で出たほうが、交通事情も変わってるはずだから、
そっちのほうがいいんじゃない?」
と私は言った。

上手いこと説得し、仕事を再開。

定時でホテルからAと出た。

だがしかし、今度は店の車が来ない。

Aがそれを見て
「寒いから、俺の車乗ってて待ってればいいよ。一緒に待ってるよ。」
と言ってくれた。

A、いい人だ!

Aのご厚意に甘え、終了時間から待つこと30分・・・
店の車は来る気配すらない・・・。

この30分の間、何度も店に電話はしてみたものの、
地震の後だけに電話がつながらない。

そこでAが事務所まで送るよと言ってくれたので、
申し訳ないと思いながら、またご厚意に甘えた。

車を出る際、やっぱり申し訳ないと思い、
指名料を財布から出し
「これ、タクシー代ってことでもらっておいて」
とAに渡した。

Aはいらないよと言ってくれたが
「これはもう店が悪いわけで、そのせいでAにご迷惑かけたので、
このままじゃ私の気もおさまらないからその迷惑料として取っておいて」
と話し、お礼と感謝を伝え別れた。

その直後、電話が鳴る。

取ってみたら、店長だった。

店長「今どこにいる?」

私「事務所の前ですけど」

店長「みんな帰ったから帰っていいよ。売り上げは次回くれればいいから」

私「は?????ここまでお客様に送ってもらったんですけど。
店の車来なかったんですけど・・・。
終了時間から30分も待ったんですけど・・・。
お客様に送ってもらってご迷惑をかけたのとお礼も兼ねて、指名料渡したんで、店長が指名料渡しにくださいね・・・。
そのくらい当然ですよね・・・。
店が女の子置いて、帰るとかありえないですよね・・・。
それで売り上げは次回くれればいいとか何なんでしょうか・・・。
やるべきこともしないで売り上げですか?おかしくないですか?
こっちは定時で仕事してきたんですよ?」

さすがに、大丈夫かもない、店の車も来ない、しかも売り上げだけしか見てない。

ありえない・・・。

管理っていったい何管理してるのさ・・・。

女の子を管理するってのは安全に仕事してもらうための管理だろうに・・・。

バカなの?

頭にハエでも湧いてるの?

珍しくブチ切れている私の剣幕を聞いてか、店長が圧倒され

「わかりました。次回指名料渡しますので、すいません。」

と言った。


後日、指名料を差し引いて、売り上げを渡した。
その際店長は
「〇〇にはちゃんと何時に行けっていってたんですけどね・・・。」
と言ってた。

行けって言ったかどうかというより、実際に行ったのを確認したかどうかが大事なんであって、なんかもう正直話してて疲れたのを覚えている。


その日、同じ店に働いている年下のあずちゃんが
「姐さん、あの日大丈夫でした?
事務所もすごい揺れて、みんなに帰りなさいって店長が言ってた時、
私としいちゃんが店長に姐さんが接客中だから、誰か迎えに言ってないの?って聞いたら、
たぶん○○がいくはずって言ってましたけど、ちゃんと来ました?」
と心配してくれた・・・。

たぶんって・・・行けじゃないじゃないか・・・たぶんだったんじゃないか・・・。

店のキャストのほうがよっぽどしっかりしてて、
店長があまりにも不甲斐ないのを痛感して・・・悲しくなった1日だった。



~全国のデリヘルのお店の皆さん~

東日本大震災では、何人かのデリヘル従業員が実際亡くなっています。
その中には、事務所で被災し、そのまま流された女の子もいたと聞いています。

もし、ちゃんと事務所が女の子に避難しろと指示するか、
あるいは近場にいた店の車が迎えに行っていれば、
その子だって、今生きていたかもしれません。

こういう非常時は誰しもパニックになるとは思いますが、
少しでも危ないと思ったら、女の子に指示するなり、
ドライバーに指示し、的確な判断と行動をしてもらえたらと思います。

お店の管理というのは、仕事だけではなく、
出勤時間内の彼女らの命も守っているんだという気持ちを持っていてほしいです。

去年か一昨年、仙台市内ではドライバーの居眠り事故で、
同乗していたデリ嬢が亡くなっています。

それよりさかのぼること数年前は山形で、
ドライバーのスピード出しすぎにより事故が起き、
やはり同乗していたデリ嬢が大怪我を負っています。

たぶん全国でもそういう話はいくつもあると思います。

そういう事が減ってくれること、無くなってくれることを願っています。



余談になりますが、
この余震の際、私のトイレ前での大の字で守っている姿を見ていたお客様Aさんは
トイレの奥で

「すげー頼もしいデリ嬢だな。なにあっても大丈夫そう。」

と感心しておりました(笑)

感心してる場合じゃないけどね(笑)